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【学問ファシリ企画】プログラムファシリテーターインタビュー♯1

Foraの共同代表であり、現在募集中の”学問ファシリテーション育成講座”のプログラムファシリテーターを務める亀岡恭昂(かめおか やすあき)。

《ファシリテーション能力とは?》《なぜForaでファシリテーション能力を学ぶ魅力とは?》

膨大な教育に関する知見と、未来構想が詰まった彼の頭の中を是非覗いてみてください!

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普段どんなことをされていますか?

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教育を通して、誰もが「人生を賭けて探究するに値する問い」と出逢えるためにはどうすればいいのか、に興味を持って活動しています。現在は、研究と実践の両面からアプローチするため、東大と慶應で研究しつつ、Foraの理事・共同代表をやっています。

研究者としては、「問題発見」を認知科学的に解明すること、「研究生産性」を向上させるための政策づくりといった、教育心理学・教育政策まわりの研究をしています。一方、実践者としてはMicrosoftと組んでワークショップをつくっていたりもします。

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亀岡さんにとっての「ファシリテーション」とは?

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ファシリテーションは、教育に関わる人のみならず、学生団体・アルバイト・サークル・インターンなど、他者とコミュニケーションをとる場面が多い人に、広くオススメできる能力です。なぜ、そこまでオススメできるか。ファシリテーションについて概念的・歴史的に考察した論文[1]を見ながら解説していきましょう。

ファシリテーションの歴史的源泉をたどると、臨床心理学者であるカール・ロジャースがカウンセリングのために始めたエンカウンターグループにたどり着きます。このように、ファシリテーションの究極の目的は思ったことをそのまま言える場をつくることです。そのため、人間と人間が対話する局面において、教育以外でもファシリテーションの力はあらゆるところで通用します。例えば、友人や恋人と腹を割って話したいとき、将来マネージャーになって部下と対話しながら本音を引き出したいとき、などです。

また、教育の分野では、1990年に「参加体験型学習」が成人教育で取り入れられたのをきっかけに、「ワークショップ」という言葉とともに広がりを見せ、近年では「アクティブ・ラーニング」という言葉とセットで学校現場にも取り入れられています。現在の教育動向を見る限り、将来、教員・塾講師・セミナー講師・大学教授といった、「楽しく真剣な場」をつくる(体験を通して学びを届ける)人には必須の能力であるといえます。

詳しくは安斎先生との対談記事もお読み下さい。

( http://todai-umeet.com/article/17414/ )

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ファシリテーション能力を、Foraの学問ファシリテーション講座で学ぶ魅力とは?

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世の中に数多あるファシリテーションの講座の中で、Foraの講座は「徹底的な実践」によって「体系化された身体知」が会得できる点に特徴があります。

講座の講師も、教育ど真ん中の人間だけではないことに大きな特徴があります。もちろん、僕は学問的・学術的な立場から内容面を見ていますが、それだけは面白くありません。

リディラバで3年間ファシリーテーターをした経験を持つ竹田琢、東京大学の漫才サークル創始者で漫才歴4年(しかも高校時代は演劇部の演出家)の杉山大樹といったメンバーの実践知を活かして、ほかに類例のないプログラムを構築しています。

また、本講座では他に類例がないほど豊かな実践の機会を提供します。その数、3ヶ月で十数回です。昨年度もForaでは、高校生・大学生含めて約1万人にワークショップを提供してきました。

初めて出逢う相手の学びの場をつくる経験を重ね、Foraが独自開発したフィードバックツールを駆使することで、ファシリテーションの要諦を、頭で理解するだけではなく、身体的に理解することを目指します。

さらに、理論から始まる「基礎から積み上げる学び」ではなく、まずは実践をしてそこからコツをつかんでいく「基礎に降りていく学び」[2]というスタイルを採用しています。そのため、経験の無い方でも、ファシリテーション体験を積みながら確実に身につけることができます。

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最後にインタビューを読んでいる皆様へひとことお願いします。

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「運命の女神には後ろ髪しかない」って聞いたことはありますか。いま、ファシリテーションを学びたくなってきているのだとしたら、そのチャンスを逃すと二度と学ぶ機会を得られないかもしれません。日常生活から仕事まで、今この瞬間から生涯にわたって、こんなに人生を豊かにしてくれるファシリテーション能力を学ばないのは、損かもしれません。一緒に学べる日が来ることを心待ちにしています。

【引用文献】

[1] 佐々木 英和. ファシリテーションの要諦とは何か? : 「引き出しあい・育みあい」としての「相互教育」を促す社会教育技法. 社会教育. 日本青年館「社会教育」編集部. 2016-06. 71. 6. 10-21

[2] 市川 伸一. 「開かれた学び」を考える(2) 基礎から積み上げる学びと、基礎に降りていく学び .Child study. 金子書房. 1998-08. 52. 11. 1127-1134

【亀岡恭昂(かめおかやすあき)】

一般社団法人Fora理事・共同代表。東京大学教育学研究科修士課程在籍、同大学公共政策大学院特任専門職員、慶應義塾大学SFC研究所所員。Microsoft Education Transformation Workshop、Facilitator。Schip共同創業者。


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